【ウェブ解析士たちと泡盛】サポーター三嶋義明と時雨
お酒と文化泡盛
「ウェブ解析士」という言葉をご存知でしょうか?
IT関連の仕事に接する機会が無い方には、多少耳慣れない言葉かもしれません。
ウェブ解析士はウェブに関する様々なデータを分析・活用し、その事業の成果につながる知見を導き出します。
そして、『珠玉の島酒』も同様に、解析士の協力のもと現在進行形で改善を繰り返す中で、
それをきっかけに泡盛に出会ったウェブ解析士たちがいました。
【ウェブ解析士たちと泡盛】は、そんなウェブ解析士たちの泡盛に対する想い・出会いを書き連ねたシリーズです。
普段飲むお酒
最近は家飲みが多く、食事のお供はワイン、日本酒、ビール。ただし、尿酸値が高いのでビールは毎週350㎜缶3本までと制限しているが、守ったためしがない。
食後には、まったりとハードリカーを楽しむのが基本パターン。ハードリカーはウィスキーを欠かさず、その時の気分でマール、グラッパ、ジン、ウォッカ、焼酎そして泡盛は本当にたまに(ごめんなさいm(_ _)m )
泡盛のイメージ
普段はそんなに飲んでいないのですが、泡盛のイメージは抜群に良く、ロマネコンティとシャトー・ムートン・ロートシルトが蒸留するマールに勝るとも劣らない、沖縄が世界に誇るハードリカー。
そして、オリジナルカクテル『Milky NAHA』のベースでもある。
ちなみに、マールとはワインを造る過程で出るブドウの絞りかすを再発酵したものを蒸留して造るブランデーのこと。あの超高級ワインとして名を馳せるロマネコンティとシャトー・ムートン・ロートシルトも自らのワインを醸す際に出るブドウの搾りかすを用いてマールを造っているのである。
Milky NAHAの誕生
三次会までこなし、しこたま酔っ払った午前0時、銀座のバーLの扉を叩いた夜、泡盛をベースとするカクテルMilky NAHAが誕生した。十数年前のことである。その夜、僕は、なぜか無性にマールを飲みたい気分だった。きっと、1週間前に飲んだロマネコンティのマール・ド・ブルゴーニュの余韻が強すぎたせいだ。
「また、おもしろいマールを飲みたいんだが・・・」
「ロマネコンティはこの前飲んで頂きましたね。今夜はシャトー・ムートン・ロートシルト・オード・ヴィー・ド・マール・ダキテーヌにしましょうか?」
ー長ったらしい名前で、舌噛みそうだが、要するに、あのシャトー・ムートン・ロートシルトが醸したマールが入荷したというのだ。ロマネコンティのマールも感動ものだったが、今度はムートン・ロートシルトときた。
やはり、このマスターKさんは只者ではない。
「え、そんなのあるの?それで何か作ってもらおうかな」
作る、意味するところは、カクテル。
「え、そんな邪道を僕にやらせるの?もったいないけど、そ~~~だなぁ」
しばしの沈黙。そして、目の前にミントリキュールが置かれる。 そう、ブランデーとミントリキュールをシェイクするスティンガーだ。なるほど、そう来たか。どっしりとしたブランデーにミントの爽快さがマッチしている。
「こんなの飲んでるの世界で一人だけですよ。もう二度と作ることはないだろうなぁ」
と言いながらも嬉しそうなマスター。もっとも、そう見えたのは僕だけかもしれないが。
「二度と作ることはないだろうってやつをもう一杯もらおうかな」
スティンガーを飲み終えて、また無茶振りする僕。
「う~~ん。スタンダードじゃないけど、泡盛でも使ってみましょうか」
「お、いいね。で、どうアレンジしてくれるの?」
「コーヒーリキュールで行ってみます。ただし、美味しいか保証はできませんよ」
「たまに不味いものも飲まないと、美味しいカクテルのありがたみを忘れちゃうってもんよ」
さて、このマスターKさん、実は沖縄大好きで、泡盛も大好きときている。
銀座のオーセンティックバーのカウンターに5リットルは入るかという泡盛の入った甕を置いていた。残念ながら、バーLは閉店してしまい、泡盛の銘柄を思い出せないのが残念だ。入居していたビルが建て替えとなり、マスターはしこたま立退料を懐に入れ、念願の沖縄移住を果たした(らしい)。
泡盛、コーヒーリキュール、生クリームをシェイクしたオリジナルカクテルが僕の目の前に置かれた。 実は僕、コーヒーアレルギー。普段、コーヒーは全く飲まないのだが、この日は「ま、いっか」と飲んでしまった。
「おお、これはいいハーモニー。コーヒーの苦味と泡盛の個性のぶつかりを生クリームがいい感じで繋いでるよ」
「え、ホントに美味しいんですか?」
ーおいおい、それは無責任すぎないか?
「これは美味しいよ。もう名前も決めた。『Milky NAHA』で決まりだ」
「あ、それはいいネーミング。三嶋さんにしては出来すぎ君」
いや、親父ギャグはいらないから。
ロマネコンティのマールをベースにしたスティンガーに、泡盛をベースにしたMilky NAHAは勝るとも劣らない。まてよ、ということは、泡盛自身もマールに引けを取らないってことだ。泡盛、恐るべし。
酔っ払いの脳みそがそんなことを考える中、夜は更けていくのであった・・・・・
今回楽しんだ泡盛、『時雨』の感想

今回、1918年に首里城のふもと、赤田町で創業した識名酒造さんの『時雨30度』と『時雨03年貯蔵古酒29度』を堪能させていただいた。 約150年物という最古の泡盛を保有する伝統のある酒造所である識名酒造さんの古酒ということで、生半可な向き合い方はできないと気合が入った。
さて、この様な価値のある泡盛を単なるのん兵衛の僕が適当に飲んで、ああだこうだというわけにはいかない。
ここは、専門家と一緒に飲むことにしよう。僕が敬愛してやまないバーTのチーフバーテンダーHさんを担ぎ出すことにした。
時は2021年7月、コロナが幅を利かせ緊急事態宣言下、バーは営業できず休業中。どうせ暇なんだからいいでしょと無理やりに頼み込んで、休業中のバーを開けてもらい、Hさんの厳しいご指導を受けながら飲むことに。
今回は、泡盛そのものを楽しむことを目的として、おつまみなしに、ガチで泡盛と向き合うことにした。

2本のボトルをバーTに持ち込んだわけだが、2本のボトルを見た瞬間、Hさんの目が光るのを僕は見逃さなかった。古酒に魅かれたようである。
最初に時雨30度をストレートで。香りをかいだだけでくらっとくる。しかし、口に含むと、予想よりも軽く、当たりが柔らかく、香りも柔らかくなるから不思議なお酒だ。そして、心地よい後味が残り、余韻が長く続く。フレッシュさ、イキイキしている感じが長く持続する。
続いて、時雨03年貯蔵古酒29度をストレートで。ハーブの香り、笹の葉寿司の香りが感じられ、フルーティで華やかな酢酸エチルの香りも感じる。
酢酸エチルと言うと、セメダインじゃないのか?と言う方もいるかもしれない。過度に酢酸エチルが含まれるとセメダイン臭となってしまうが、適度な量であれば、フルーティで華やかな香りなのである。
さて、少し時間が経過すると、あら不思議、時雨30度は変化がなく、どこまで行ってもフレッシュでイキイキなのだが、古酒は開いてくるのである。フルーティさが増し、厚みが出てくる。そして、糖蜜の様な味わいに変化する。
これはまいった。どこまで行っても真っすぐな少年と、丸くなって円熟味を増していくセクシーなちょい悪親父じゃないか、この2本は。
次に氷を入れてロックにしてみた。時雨30度やはり、フレッシュでイキイキ。冷やしてもその特徴は変わらない。が、古酒はというと、これはいかん。ぼけてしまった。少年は冷やしても元気いっぱいだが、ちょい悪親父を冷やすと具合が悪くなっちまうということか。
続いてソーダ割り。時雨30度は相変わらず、フレッシュでイキイキ。どんな飲み方をしてもブレない若者なんだな、これが。古酒は冷やすと風邪をひいてしまい、ソーダ割りにしたらちょっと熱が引いたかなという感じ。
時雨30度は飲み手の好みに合わせて、どんな飲み方でもOK。ストレートでゆっくりと味わうも良し、暑い日にロックで、水割りでやるのも良し、ハイボールにしてガブガブ飲むも良し。いつでもフレッシュでイキイキ。
一方、古酒はストレートで時間を掛けて変化を楽しんで欲しいお酒である。冷やすのはお勧めしないが、ハイボールなら許容範囲。
さて、食事、おつまみとと一緒に楽しむのも一興だが、2本を食事、おつまみ無しで、ゆっくりと時間を掛けて飲み比べてみるのもまた一興である。
最後に白状しておこう。コメントの99%はHさんのパクりであることを。しかし、内容の責任はもちろん全て僕にある。
有限会社識名酒造
所在地:〒903-0813 沖縄県那覇市首里赤田町2丁目48
TEL:098-884-5451
FAX:098-884-5458
WEB:http://www.shikinashuzo.com/
設立:大正7年(1918年)
Photographs & Text by 三嶋 義明

三嶋義明
56歳、♂
山形生まれ、小樽、シンガポールを経て東京在住。
モンゴルとロシアの銀行の取締役を長年務めたという経歴を持つ怪しげな奴。 現在は『第二領域における社長の社外右腕』業をやっているらしいが、詳細は不明。
とにかく酒が好きらしい。