「チョコレート×泡盛」OKINAWA CACAOで未知なるマリアージュに感動
お酒と文化
「やんばる酒造の“まるた”しか飲まないです、ここにいる時はね。この地域の地酒ですから。こんなに身近に酒蔵があるなんて、すごいことですよ。毎朝お米を蒸して、蒸しているいい香りがして、集落の水を使って泡盛を仕込んで…という工程を自分の目で見ているので、 飲まない理由、使わない理由がないです」
カカオ栽培にも挑戦

こう話すのは、国頭村にある「OKINAWA CACAO」で地域素材を活用したチョコレートの製造・販売を行う(株)ローカルランドスケープの川合 径(かわい けい)さんです。
2016年に起業した川合さんはチョコレートの製造・販売以外にも、大宜味村田嘉里集落と名護市の二か所でカカオ栽培にも取り組んでいます。

「もともと持続可能な地域づくりに興味がありました。前職では企業家育成やスタートアップ支援業務に携わってきたのですが、全国各地に出向くたびに“過疎化による地方の衰退化”について考えるようになりました。都会に住んでいて、その問題に関わりたい・応援したいと思っている人はたくさんいるのですが、“地域”をテーマにして仕事をするなら、直接的に関わる…つまり現場に入るしかないと感じました。現場は人手も担い手も不足していますから。“その地域で自分の経験やノウハウが発揮できるのは何だろう”と考えた時に、沖縄でカカオ(チョコレート)栽培をはじめることに可能性があると思いました。カカオ栽培以前に農業の経験もありませんでしたが、2016年3月に会社を立ち上げ、同時に種からカカオの栽培を始めました」

沖縄はカカオ栽培に適した環境というわけでもなく、また、芽を出してから実をつけるまで3〜6年かかるのが一般的といわれています。川合さんが2016年に種を植えたカカオは2021年に収穫することに成功したそうですが、まだ品質が安定しておらず、また、それらを使って商品作りをするには量が足りません。そこで現在は、輸入したカカオと地元の素材を組み合わせたチョコレート作りをされています。
しっかりと素材の味が感じられるチョコレート

OKINAWA CACAOは、カカオ豆(Bean)から板チョコレート(Bar)になるまでの全工程(焙煎・粉砕・調合・成型)を一貫して手がけるBean to Bar(ビーン・トゥ・バー)スタイルのチョコレート専門店。

川合さんが心がけていることは、沖縄素材の味がしっかりと感じられるチョコレート作りをすること。カカオと“大宜味村の恵み”を合わせた板チョコは、ふるさと納税の返礼品にも採用され、人気・知名度ともに右肩上がりになっています。板チョコは素材の風味を最も感じられるガーナ産。ドライフルーツのチョコレートは素材によって産地を変え、カカオをブレンドして使っています。

例えば酸味のあるカカオを使ってしまうと、シークヮーサーの酸味なのかカカオの酸味なのか分からなくなってしまいます。日本のチョコレートは輸入の8割がガーナ産で、日本人にとって馴染みがあるということもあります」とガーナ産のカカオ豆を使う理由を教えてくださいました。
板チョコ×やんばる酒造の泡盛「まるた」

板チョコのフレーバーはカラキ(沖縄ニッケイ)、シークヮーサー、月桃、泡盛の4種類。
「生産者が明確で、どのように作られているのかが分かっていた方が安心・安全なので、生産者は指定しています」と川合さん。

泡盛は、同じ集落の「やんばる酒造」の「まるた 30度」を使用。やんばる酒造では、大宜味村田嘉里の山々から湧き出るおいしいと評判の天然水で泡盛を仕込んでいます。やんばる酒造の泡盛は、生産量の約8割が地元で消費されている地域密着型の酒造所。集落で最も飲まれているまるたは口当たりなめらかで、優しい甘さとすっきりとした喉越しが人気の理由です。
「泡盛まるたチョコレート」は、そんなまるた30度にカカオ豆を1ヶ月以上漬け込み、乾燥・焙煎させて水分を飛ばし(この工程でアルコール分は飛ぶ)、カカオ豆をすり潰してなめらかにし、板状のチョコレートにしたもの。

泡盛の風味を華やかにするためカカオはあえて粗くし、チョコレートは口の中で溶ける際に香りが最も広がるということで、2mm(弱)という薄さにもこだわっているそうです。
コーヒーやミルクティー、泡盛、酸味のあるお酒などと相性が良いそうですが、川合さん曰く「個人的に好きなのは、クリームチーズと一緒に食べるという方法です。そこにドライフルーツや、若干クセのある柑橘系などのジャムを合わせるとさらにおいしいです。意外な組み合わせと思われるかもしれませんが、泡盛チョコにクリームチーズと塩漬けの粒胡椒を合わせるのもおすすめです」とのこと。
チョコレートケーキ×やんばる酒造の泡盛「まるた」

こちらは、同じくまるた 20度を使った二層仕立てのチョコレートケーキ「泡盛まるたランゴ・オ・ショコラ」。上の部分は生チョコレートに泡盛を混ぜ込んだもので、下は、カカオパウダーを贅沢に混ぜ込んだスポンジに泡盛をたっぷり染み込ませたものです。

「素材の風味を最大限に感じられるように」と、甘さはかなり控えめ。華やかに優しく香り、上品で心地良いほろ苦さが広がります。「クセの強い泡盛は苦手」という方にもぜひ試していただきたいケーキです。
ボンボンショコラ マンゴー×やんばる酒造の泡盛「大山原」

沖縄北部・やんばるでこだわりをもって作られた素材を活かした「ボンボンショコラ アソートBOX」はプレゼントや沖縄土産におすすめ。4種類(カラキ×紅茶、マンゴー×泡盛、シークヮーサー、落花生)を6つ組み合わせたアソートBOXで、4種類各ひとつずつと、その時のお店のおすすめ2種が入っています。
「マンゴー×泡盛」に使われている泡盛は、蒸留から10年以上熟成させた3種類の古酒をブレンドした「大山原(うふやんばる)」。国頭村で手塩にかけて育てられたマンゴーと合わせることで、一粒のチョコレートでマンゴーと泡盛、異素材のマリアージュが楽しめます。

現在、やんばる酒造のすぐ近くにOKINAWA CACAO の新しい製造場所(工房)と店舗、カフェスペースを建設中だそうです。それに向けての新商品も開発されているとのことなので、お楽しみに。
OKINAWA CACAO
住所:沖縄県国頭郡国頭村浜521
https://okinawacacao.com
Photo&text:舘幸子
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