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【お勧め泡盛・島酒】バーテンダーズチョイス ~白百合三年古酒~

泡盛

那覇市泉崎でモルト・泡盛古酒専門店 Bar Tasting Clubを営む、バーテンダー儀部頼人が珠玉の島酒をテイスティングしながらご紹介する企画「バーテンダーズチョイス」

独特の味わいと認知されている「泡盛」であるが、その中でも特に「個性」が強いことで知られる「白百合」を三年間熟成させた古酒。度数も43度とまさに「白百合の中の白百合」

池原酒造 白百合三年古酒43度720ml 4,470円(内税)

池原酒造の「代表作」をテイスティングして、その全容を皆様にお伝えしたい。

ストレート

香り

まずは池原酒造の酒であることを主張する、白百合独特のミネラルの香り。粘土の香り、素焼きの甕の香り、雨上がりのあぜ道とも称される香りである。開いてくると香ばしいおこげの香りを楽しめる。そのあとに蒸したお米の香り、白い花を思わせる甘い香りが現れる。あらためて、泡盛の原料がお米であることを認識させられる。 

3年の熟成からくる落ち着きで、口当たりはマイルド、、、と一息つく間もなくシャープな辛さが立ち上がる。
こってり好きなのに辛口派だという私の様な人間にはとても気持ちいい。「これでいいんだよ」というアタックである。キレが良いためすぐに二杯目へと手が伸びる。途中どこかで嗅いだ香りが出る。記憶をたどり寄せると「ビーツ※」だ。それも蒸したり、温野菜にした味付けをしていないビーツ。少し加水すると分かりやすいだろう。 

アフターはやはりキレが良い。ただし香りの余韻は長い。 

ビーツ

※ビーツとは、ヒユ科フダンソウ属の根菜。
ショ糖を多く含むため、食べるとほんのりと甘みがあります。一見すると赤く丸い根が赤カブに似ていますが、アブラナ科であるカブとは別の種類です。
日本ではあまりなじみがないですが、欧米では一般的に食べられている食材です。

水割り~割り水を硬水にすると面白い~

白百合古酒 水割り

通常は軟水のミネラルウォーターで割り水するのが一般的であるが、意外とエビアンなど硬水で割り水すると面白い。舌の上から喉元を通り過ぎる間のバランスが安定する。

整然と列をなして行進しているマーチングバンドの様である。白百合独特のミネラルの香り、味わいがぼやけることなく、より安定して楽しめる飲み方である。  

炭酸割り~香りを一番心地よく感じられる~

白百合古酒 炭酸割り

白白百合の「香り」を一番心地よく感じられる飲み方である。

炭酸割りの楽しみは何といってもシュワシュワッとしたのど越しであるが、実は香りもとても楽しめる飲み方でもある。粘土の香り、素焼きの甕の香りが特徴的である白百合香が、炭酸の上昇気流に乗り爽やかに鼻腔を駆け抜ける。炭酸割りが合う泡盛の一つだろう。  

オンザロック~こってりとした風味に~

白百合古酒 ロック

ロックにするとアタック、ボディ、アフターそれぞれの香りはボリュームを下げ、味わいが強調される。

特に塩気と粘度を強く感じる様になり、「キレ」と「こってり」のメーターがあるとすれば「こってり」な味の方に針が降り切れ、キレの部分がほとんど影をひそめる。おそらく氷の冷却効果により、溶解している油分が凝結し、舌に感じやすくなるのだろう。  

総評~まさに「白百合」~

その強烈な個性でコアなファンを獲得している池原酒造。

2016年~2017年にかけて「地殻変動」があり、あの独特の「白百合香」が極端に薄くなってしまったが、現在はまた元の水準に戻りつつある。今回テイスティングした白百合はまさに「白百合」を標榜するにふさわしい香りと風味を有していた。 

沖縄の墓は総じて大きいが、その中に泡盛を寝かせ、次に埋葬があるときに飲むという風習がある。
実は筆者も祖母の墓にこの「白百合三年43度」を眠らせている。できるだけ長期熟成になることを祈ってやまない。 

株式会社 池原酒造 

〒907-0022 沖縄県石垣市字大川175
Tel.0980-82-2230
Web:https://shirayuri-ikehara.com/ 

Photographs & Text by 儀部 頼人(Yorito Gibu)