まるでラム酒のような芳醇な香り。泡盛の古酒を使った「島レーズンカシューナッツバター」
お酒と文化お酒を愛する人美味い料理・レシピ
口に含むと、洋酒のような芳醇な香りがふわっと広がるスプレッド「島レーズンカシューナッツバター」。初めて口にした時「ラム酒の良い香りがする」と感じたのですが、原材料をチェックしてみると、入っているのはラム酒ではなく古酒(泡盛)。その意外性にグッと心をつかまれた私は、作り手である「nun okinawa」池中尚子さんにお話を聞かせていただくことにしました。
千葉から沖縄に移住をし、身も心も健康に
沖縄本島北部の大宜味村(おおぎみそん)で、地域の選りすぐりの素材を使い、今までにないヒット商品を生み出す池中さんは、2011年に千葉から沖縄に移住をされました。
「沖縄の海と空気、人と時間が好きで移住を決めました。ありのままに振る舞える環境だなぁ、と日々感じています。時々内地に行くこともあるのですが、沖縄に帰ってくると緩むんです。身体も心も。」
長年アパレル業界でキャリアを積んできた池中さんが最初の移住先に選んだのは、北中城村。

「沖縄に来てから、自分の中に食に関しての知識が流れ込んでくるようになって“自分が口にするものはどういったものなのか”ということに興味を持つようになりました。私たちの体は食べた物からできているので“口にするもの”は大事ですよね。考え過ぎてしまって、ストイックにしていた時期もあったんです。ヴィーガン(完全菜食主義者)やフルータリアン(果実食主義者)も経験しました。沖縄は野菜もフルーツも豊富なので、チャレンジしやすい環境でした。でも、今はお肉も食べます。“自分の体が欲しているものを素直に聞き入れながら食べる”というスタイルが私には合っているかな、と思います。精製された白砂糖は身体に良くないという風潮ですが、私は“絶対ダメ”とは思っていないです。そう思っている時期もあったんですけど…」
北中城村ではローフード(植物の栄養素や酵素を効果的に摂れる食事法で、食材はすべて48℃以下で調理)のお店で働いていたという池中さん。そこからなぜ「島レーズンカシューナッツバター」を作るようになったのか、そのキッカケを聞いてみると「そのお店ではドリンクやクリームにカシューナッツを使うことが多くて、カシューナッツという食材に可能性を感じました。もともとカシューナッツが好きだったということもあります。それからラムレーズンも。そのふたつを組み合わせたクリームがあったら美味しいだろうなぁと思っていたんです」との答えが。
レーズンに漬け込むのは、ラム酒のような古酒(泡盛)「大山原」
6年前に拠点を北中城村から大宜味村に移した池中さんは、最初、地元で収穫された規格外のトマトやシークヮーサーを使ったジャムを作り、地元で販売するように。

「地元の人たちから愛され続けているやんばる酒造の泡盛を使って、何か新しい商品を作ってみたい!と思うようになりました。私はラムレーズンが好きなんですけど、きっとレーズンを泡盛に漬け込んだら美味しいだろうなと思ったので、ラム酒に近い泡盛があるのかどうか、あんこちゃん(取締役専務 池原文子さんの愛称)に相談してみました。その時におすすめしていただいたのが古酒『大山原(うふやんばる)』です。」
蒸留から10年以上熟成させた3種類の古酒をブレンドした大山原は、ラム酒やカラメルを感じさせるようなリッチで深みのある風味が特徴です。新酒にはない甘味やコク、重なり合う複雑な香り、長い余韻が魅力で「私はゴクゴク飲めないので舐める程度なんですけど、深い甘さとコックリとした深みがあって『これだ!』と思いました」と池中さん。
厳選素材を使った島レーズンカシューナッツバター

そんな、やんばる酒造の大山原に漬け込んだレーズンとカシューナッツを贅沢に使った「島レーズンカシューナッツバター」をご自宅で作っていただきました(普段は加工場を借りて製造されています)。
使う材料は池中さんが厳選したものばかり。


例えばレーズンとカシューナッツはオーガニックのものを。

黒糖は、大宜味村で無農薬・化学肥料不使用でサトウキビを栽培するノイベナ農園の「ティーダ黒糖」を使います。昔ながらの地釜で作る純黒糖は、池中さん曰く「上質な和菓子のように口の中でスッと溶けます」とのこと。塩はミネラル豊富な海塩で、伊江島みーぐるましゅか、粟國の塩を愛用。その他には、美容と健康に良いとされているココナッツオイル(無臭)やきび糖(黒糖に加えることでまろやかな甘さになる)を使います。

1日〜数日間大山原に浸けたレーズンとその他の全ての材料をミキサーでなめらかになるまで撹拌したら、島レーズンカシューナッツバターの完成です。

華やかでふくよかな古酒の風味が口いっぱいに広がる島レーズンカシューナッツバターは、大人の香りが漂う上品な味わい。動物性のバターではなくココナッツオイルを使うことでサラリとしたテイストに仕上がっており、コクや深みはしっかりと感じられるのに重くないのも人気の理由です。
おすすめの食べ方は、カリッと焼いたトーストにたっぷり塗ること。シンプルなトーストはもちろんですが、ドライフルーツやナッツが入ったハード系のパンと相性が良いので、こちらもぜひお試しください。
茹でたブロッコリーやカブにディップしたり、グリルした豚肉やチキン、サラダとも合うのだそうで、私も近いうちに試してみたいと思います。
1つで満足、ブリスボールの作り方

そして池中さんが以前作られたBliss Ball(ブリスボール)もとてもおいしそうなので、レシピもこちらで紹介させてください。
常温で柔らかくした島レーズンカシューナッツバター100gとデーツ(種なし)2〜3個、ココナッツファイン10gをブレンダーなどでなめらかになるまで撹拌し、冷蔵庫で少し硬くなるまで冷やしたら、適量をスプーンですくって丸め、ココナッツファインをまぶし、手のひらで転がしながら形を整え、再度冷蔵庫で冷やし固めます。
1粒でも十分な満足感が得られるブリスボウル。コーヒーや紅茶、ワインだけでなく、古酒のお供にしても良さそうですね。
島レーズンカシューナッツバターと大山原をセット、泡盛通の方へのギフトにいかがですか?
nun okinawa
Photo &text:舘幸子