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【お勧め泡盛・島酒】バーテンダーズチョイス ~琉球泡盛 K 10年古酒~

泡盛

那覇市泉崎でモルト・泡盛古酒専門店 Bar Tasting Clubを営む、バーテンダー儀部頼人が珠玉の島酒をテイスティングしながらご紹介する企画「バーテンダーズチョイス」

令和2年度泡盛鑑評会にて金賞受賞を受賞した「お墨付き」の逸品。

神谷酒造所 琉球泡盛 K 10年古酒 43度720ml 4,400円(内税)

「K」とは神谷酒造所の「K」とクースの「K」の頭文字との事で、神谷酒造所の「フラッグシップ」を意味しているとの事。相当な自信を感じさせる。公式サイトでも

泡盛の魅力は何と言ってもストレートです。お猪口に10mlほど注ぎ、しばらく待つと熟したパインのような甘い香りが押し寄せて来ます。一気に飲むのではなく、ちびりちびりと余韻を楽しみながら飲むのがお勧めです。本品は10年間の熟成を経て醸し出した甘い香りと癖になる優しい味わいが幸せな時を演出いたします。
https://awamori.shop-pro.jp/?pid=158174701

とのアナウンスがあり、期待が膨らむ。それではテイスティングしてみよう。

ストレート

K ストレート

香り ~最初は花の香り~

香り立ちは遅い。これは古酒になるとこの様な泡盛が増えてくるのでネガティブ要素ではない。この時点での香りはうっすら穀物系の香りにすみれの様な、か細い花の香りが混ざる。開いてくると薄くおこげ、スイカ、レモングラスにコーグヮーシ(落雁)の甘い香りが加わる。

味 ~良い古酒の仕上がり~

「これは良い古酒に仕上がっている」まずこれが第一印象である。しっかりとしているが、穏やかな熟成感。このとろっとした舌触り、染み入るような旨味こそ古酒の真骨頂である。そして白焼きのせんべえ、程よく焼けたきりたんぽの皮を思い浮かべる。飲み続けると岩塩の様な塩気も楽しめる。

余韻を楽しんだ後、水で舌をゆすいだ際にパインがアフターフレーバーとして現れる。

水割り ~嫌味のない優しい飲み口~

ぜひ軟水の水と組み合わせて欲しい。先ほど指摘した「とろっとした」味わいを十分に楽しめる。

嫌味のない優しい飲み口。必要十分のうまみは残しつつ、「過分な」フレーバーがそぎ落とされる。どんなシチュエーションでもこなせる優等生といった印象である。

炭酸割り ~スモーキーな香り~

ろうそくの炎を消した時の様なオイリーでスモーキーな香りを感じる。

因みに使用した炭酸水は「ウィルキンソン」。他の飲み方をした時と方向性が違う味わいに驚く。燻製と合わせると相乗効果で酒が進みそうである。

オンザロック ~水割りとの比較~

K ロック

水割りの時と全体的な印象は大きくは変わらない。と言うことは水で伸ばしても旨味が十分にあると言うことだ。

オンザロックの場合は当然ながらボディは増すので深酔いには注意である。この様な安定感のある酒にはなかなか出会えない。

総評 ~一言で言うと「優等生」~

今回の「琉球泡盛 K 10年古酒」。一言で言うと「優等生」である。

それは令和2年度泡盛鑑評会にて金賞受賞を受賞したという事実がそれを証明している。やたら香ばしいとか、やたらクセがあるとった極端な特徴は持たす、どんな人にも安心して薦められる酒質。誰かにおすすめの泡盛を尋ねられた際にはこの「K」を薦めると良いだろう。殺し文句は「とろっとした口当たりで旨味が舌に染み入る」だ。

今回のテイスティングは,ほとんど長期熟成の商品をリリースしない神谷酒造所の10年物という「古酒と呼ぶべき大台」のビンテージと言うことで、とても期待して試飲に臨んだ。

結果、「神谷酒造所そのもの」な酒質の古酒に仕上がっていたので安心した。作られた年代により味が変化する酒造所もあるが、神谷酒造所は伝統の作り方を頑なに守っているのだろうという安心感を持った。新酒を飲んで、将来の熟成の具合を予想できると、我々飲み手としては古酒づくりの参考にしやすい。

神谷酒造所

所在地:〒901-0403 沖縄県島尻郡八重瀬町字世名城510-3
TEL / FAX:098-998-2108
WEB:https://awamori.site/
代表者:神谷 正彦
創業:1949年1月1日

Photographs & Text by 儀部 頼人(Yorito Gibu)