延々と泡盛を飲み続ける!? 宮古島の「オトーリ」文化 〜前編〜
お酒と文化
「オトーリ」と呼ばれる宮古島のお酒の楽しみ方は、地元で脈々と受け継がれてきた文化ですが、近年ではテレビ番組などでも紹介されることが増え、名前は聞いたことがある、という人も多いかもしれません。
オトーリは飲み会に参加した全員とすぐに仲良くなれる魔法のコミュニケーションツール。
コロナが落ち着いた後に宮古島に行こうと思っている方は是非この記事で予習して、本場のオトーリを体験してみてください!
オトーリとは?

簡単に説明すると「酒を注ぐ人(=親)が短くスピーチをした後にグラスのお酒を飲み干し、参加者全員に挨拶を交わしながら1杯ずつ配る。それが1周したら次の親にバトンタッチをする。という一連の流れを繰り返す」というものです。
その由来は、「神事に関するものだった」、「満足な量のお酒が手に入らなかった時代、同じ杯で順番に飲むことで平等に分けるために生まれた」など諸説ありますが、後者の方をよく耳にします。助け合いの精神で生き抜いてきた島なんだと温かい気持ちになります。
さて、このオトーリ文化で特筆すべきは、「泡盛の割合」と「親になったらスピーチをする」という2点です。具体的な例も挙げつつ、解説していきます。
ストレートNG!水との配合がミソ!
よく耳にする言葉で「アルコール度数が高い泡盛をストレートで回すなんて!宮古島の人って酒豪だよね」と驚かれる事が多々あります。
ちょっと待った!
実は、かなり薄めて飲んでいるんですよ。
オトーリ用に作られるお酒は泡盛と水をおおよそ3:7で割ったもので、そう濃くはありません。
しかしながら、オトーリは制限時間も回数制限もありませんので、繰り返しの末にすっかり出来上がってしまう…というのが”あるある”です。
今では様々な場所でオトーリ文化の解説を読むことが出来ますが、そのルール自体も決まり切った型が存在しないので、その場の気分で変化することも多いです。
4、5人程度の規模ならともかく、それ以上の人数が集まる飲み会となると、席順などの関係もあって全員が全員とコミュニケーションを取るのが難しくなってくるもの。
オトーリは一人一人と顔を見合わせながら1周するので、全員の仲が深まりやすい最高のコミュニケーションツールと言えるでしょう。
どんどん磨きのかかるオトーリスピーチ
オトーリが始まる時、親は必ずスピーチをします。
口上を述べる、とも言いますが、その内容は、その日の集まりの趣旨や感謝を含めた簡単な挨拶が主で、持ち時間はおおよそ2分程度が一般的です。

参加者との距離感によっては近況報告であったり自己紹介を兼ねたものであったりと、自由に変わってきます。
5分以上話した日には「長いぞ!」「早く回せ!」と笑いながらヤジが飛んでくるのでくれぐれもご注意を。
<実際にあった、私のオトーリ事例>
イベントの打ち上げで、開始15分後くらいに司会指示の下、オトーリ開始。
STEP1.口上を述べる
「みなさん、今晩は!今日のイベントお疲れ様でした。
(イベント中の面白い出来事や勉強になったことを述べる)
(感謝をしたい人の名前を挙げて、労う)
(次回、これを活かしてどう過ごしていくか意気込みを述べる)
それでは、オトーリ回します!」
STEP2.一人一人の元に行く
一人一人に挨拶をしながら、グラスを回していく。
※お酒が弱い人には、1滴程度入れる優しさを見せる人が多い。または、隣の人が代わりに2杯分くらい飲んでくれる時もあった。
STEP3.次の人にバトンを回す
「みなさんのお陰で無事回ることが出来ました。それでは次は、○○さんに回します!」
と次に親となる人を指名して役目終了。
ちなみに、オトーリの口上で参加者の大爆笑を取れたらその日のヒーローです。
年齢を重ねた方は、2分間で起承転結をきっちりと組み立てた口上を披露するので、「うまいな〜」と思わず唸ってしまうほど。
日頃はあまり口数が多いとは言えない宮古島の人ですが、オトーリの場になると口上を通してたくさんの情報が飛び交うので、とても貴重な場です。(ただし、酔いの回る4周目以降は例外・・・)
以上が、オトーリ文化の基本ルールです。
後編では筆者が遭遇した実際のオトーリ現場を振り返りながら、皆さんがオトーリを始められる必須アイテムをご紹介しようと思います。
Photographs & Text by 佐和田はるか(Haruka Sawada)