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古酒と言えば1946年創業の山川酒造!長期熟成した泡盛は芳醇で深みのある味わい

酒造所

古酒のやまかわと呼ばれる理由

“古酒のやまかわ”と呼ばれ、ファンの間で親しまれている山川酒造は、本部町唯一の泡盛酒造所です。古酒を造ることに強い信念とこだわりを持っている山川酒造所の蔵には、長い年月愛情を注ぎ込んだ古酒がずらり。“100年古酒”を夢見て、酒造りに取り組まれています。 

山川酒造 蔵

創業は1946年。第二次世界大戦終戦の翌年のことでした。戦前までは100年〜200年熟成させた古酒が数多く存在していましたが、戦争でそのほとんどを焼失。沖縄の伝統であり文化である古酒を復興させるため、終戦翌年に創業したのです。 

創業者の山川 宗道(やまかわ そうどう)氏の「どんな時でも、とにかく頑張って古酒を寝かせておきなさい。いずれは古酒の時代になるから」という言葉を守り続けている山川酒造。経済的につらい時期もその教えをしっかりと守り続けました。泡盛を寝かせている間は1円にもならず経費だけがかかるため、養豚で食いつないだこともあったそうです。 

山川酒造 会長

「創業者は『年月を重ねれば重ねるほど、誰も味わったことのない味になる』ということを分かっていたのでしょう。1967年に仕込んだ古酒が最も古く、今年は54年目の古酒を販売することができます」と会長の山川 宗克さんは話されます。 

山川酒造 代表取締役

「100年経ってもおいしいお酒を造っていきたいです」と話すのは、四代目の代表取締役を務める山川宗邦さん。 

おいしい泡盛の秘訣は“仕次ぎ”

ただ寝かせるだけでは、当然おいしいお酒はできません。山川酒造では、蔵で働く人々が長い年月愛情を注ぎ手入れをして美味しい古酒造りに励んでいます。また、伝統的な熟成方法=「仕次ぎ(しつぎ)」も続け、伝統を現代に、そして未来に繋いでいます。仕次ぎは、年代物の古酒に、それより若い古酒を注ぎ足すことで、熟成した香りや芳醇さを深めながら、お酒の質を保つ方法。仕次ぎを行う頻度や注ぎ足す量などによって味わいが微妙に異なります。仕次ぎは山川酒造のこだわりのひとつ。経験を積んだ職人が味をみながら、度数の確認をしながら、仕次ぎする時期や注ぎ足す量(総量の約10%)を見極めます。 

山川酒造 仕次ぎ
山川酒造 仕次ぎ

良質の甕でゆっくりと熟成

寝かせる際にタンクを使う酒造所もありますが、山川酒造は甕。甕で長年熟成させることで成分が溶け出し、タンクで造られるものよりも口当たりの柔らかい仕上がりになるのだとか。※弊社は、ホーロータンク、ステンレスタンク、甕と3種類の貯蔵容器を使用しています、甕だけでは、ありません。 

山川酒造 タイ米

良いお酒を造るため、素材にもこだわります。泡盛造りに使うタイ米には「砕米(米を砕いたもの)」と「丸米(一粒そのままの米)」があり、昔の泡盛造りには全て砕米が使われていたそうです。山川酒造も以前は砕米を使っていたそうですが、丸米の方がまろやかで甘い泡盛ができることから、丸米を使うように。砕米に比べてコストが高い(以前はコストが高かったが、今は違います)ことに加え、麹菌がつきにくいなどの難点はあるそうですが、理想のお酒を造り続けるためには必要だそうです。 

山川酒造 湧き水

「酒は水が命」という創業者の信念の元、創業当時から使用するのは、酒造所から1kmほど離れた山からの湧き水。自然豊かなやんばるの山から湧き出る水はミネラル分が豊富で、酒造りに使うと複雑で味わい深く、しっかりとした仕上がりになるのだそうです。

山川酒造の泡盛が揃うショップでお買い物

山川酒造 ショップ

そんなこだわりの強い泡盛は、酒造所の横にあるショップで購入することができます。 

山川酒造 珊瑚礁

甕貯蔵の古酒「珊瑚礁」は、甕ごとに瓶詰めし、蒸留年・甕番号とシリアルナンバーが明記された希少性の高い一本です。瓶は陶器風仕上げになっており、高級感もあってギフト用として購入される方も多いそうです。

山川酒造 さくらいちばん

本部町八重岳の寒緋桜の花から分離した「さくら酵母」で仕込んだ「さくらいちばん」は口当たりがやさしく、泡盛を飲み慣れていない方にもおすすめ。

山川酒造 さくら酵母

こちらは八重岳の寒緋桜の花より分離した「さくら酵母」を使用して仕込んだ泡盛。本部町八重岳桜まつりスタートと同時に発売を開始し、本数限定なので、見つけたらお早めにご購入ください。薄いピンク色の可愛いボトルは、特に女性から人気です。 

山川酒造

沖縄本島最北端にある山川酒造。那覇空港から車で1時間半ほどかかりますが、周辺には美ら海水族館や海洋博公園、人気のビーチや沖縄そば屋さんなど、観光で立ち寄りたいスポットが点在しています。蔵は見学もできますし(新型コロナウィルス感染予防対策のため、現在は中止)、工場の隣にはショップもあるので、ぜひ北部観光の際には足を運んでみてくださいね。 

山川酒造

住所:沖縄県国頭郡本部町字並里58番地
電話:0980-47-2136
https://www.yamakawashuzo.com

Photo&text:舘幸子