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【お勧め泡盛・島酒】バーテンダーズチョイス ~白百合ミドルカット38度 2019~

泡盛

那覇市泉崎でモルト・泡盛古酒専門店 Bar Tasting Clubを営む、バーテンダー儀部頼人が珠玉の島酒をテイスティングしながらご紹介する企画「バーテンダーズチョイス」

泡盛の中でも特に「個性」が強い泡盛を造ることで知られる池原酒造。
その池原酒造が島酒フェスタ2019の記念商品としてミドルカットを集めた商品をリリースした。

池原酒造 白百合ミドルカット38度2019 720ml  4,840円(内税) 

ミドルカットとは蒸留の際に中留液のみを採取したもので、普段の白百合とは違う風味を得ることができたとのこと。限定500本の製造。気になる方はお急ぎのご購入を! 

ストレート

shirayuri ストレート

香り~白百合らしさはあまり感じない~

初めに、子供の頃に近所の駄菓子屋で売っていた「プラバルーン」の様な懐かしい香りを感じる。

やや強めのアルコール感に、少しだけ甘い花の香りが混ざる。白百合に代表される土の香り、甕の香りはともに白百合ファンにとっては閾値ギリギリの感じで、あまり強く感じられないだろう。雑味の少ないミドルカットならではである。

味~スッキリな味わい~

口に含むと、まるで溶けない水あめの様な感覚で「にゅ~っ」と舌の上に泡盛の味が広がる。それでいてとてもミネラル感が強く、そして同時に塩気も感じる。

アタックの濃密感とは裏腹に、ボディーもアフターもとても繊細。非常に軽やかでスッキリな味わいである。 この前半の味わいと中後半の味わいのギャップが面白い。

水割り~白百合らしい味わい~

shirayuri ロック

白百合らしい土の香り、甕の香りが感じられ、白百合ファンには親しみやすいだろう。

泡盛の楽しみ方の深いところは、新酒には新酒の楽しみ方、古酒には古酒の楽しみ方がある。

この「白百合ミドルカット」は新鮮な新酒時の泡盛の味わいを大いに楽しむことができ、そして酒造所からもその様に楽しんで欲しいとの案内である。

オンザロック~水割りで物足りない方は~

水割りとほぼ変わらない楽しみ方ができる。

これは原料米由来の油分や、初留、後留部分に含まれる「雑味」が取り除かれているからである。
なので水割りではパンチが足りないという方はロックにして度数を上げて飲むという飲み方の選択肢もあるだろう。喉に流し込んだ後の飲み終わりに、舌の奥にほんのり甘さを感じることができる。 

炭酸割り~爽やかな心地よさ~

shirayuri 炭酸割り

まだ熟する前の梨の様な、ほのかな果物の香り、そこに原料米由来である穀物系の香りが混ざる。

軽やかな酒質の「白百合ミドルカット」は爽快感の有る炭酸水との相性が良く、特にボディーからアフターまでの味と香りは爽やかで心地よい。

スタンダードの白百合と飲み比べると、この「ミドルカット製法」がどの様な味の特性になるのかわかりやすい。 穀物系の香りが混ざり、ボディーからアフターは爽やかで心地よい。 

総評~白百合独特の個性をあえて抑えた意欲作~

ミドルカットと言うことで、初留や後留のいわゆる「雑味」成分を除いた製法で作られた泡盛。
スッキリと飲みやすさを追求した限定品である。

スコッチウイスキーなどに代表される「ウイスキー」の実はこの製法で作られている。
泡盛の歴史になかった新たな製法を用いることで、米原料の泡盛はどうなるのか。ぜひ皆さんもこの意欲作を味わってほしい。

白百合独特の個性をあえて抑えることで、多用途に使っていただけるように設計された意欲作。
具体的にはカクテルのベースとして、他のリキュールを邪魔しない程度の個性に抑えることによって全体を生かす様に考えられている。ジン、ウオッカ、テキーラ、ラム。そこに「AWAMORI」が入る時代が来ることを願ってやまない。 

株式会社 池原酒造

所在地:〒907-0022 沖縄県石垣市字大川175
Tel:0980-82-2230
Web:https://shirayuri-ikehara.com/ 

Photographs & Text by 儀部 頼人(Yorito Gibu)