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北谷長老酒造 <後編> 工場長・知念秀人氏オススメ泡盛とその想い

酒造所

那覇から北谷へ。戦禍をくぐり抜け、サキヌマー(酒飲み)たちの喉を潤し、こころを満たしてきた北谷長老酒造。 

北谷長老酒造工場長・知念秀人(ちねん・ひでと)さんに北谷長老酒造のオススメ銘柄をご紹介いただくとともに、工場長の想いを語っていただきました。<後編>です。 

<取材日> 2021年11月17日 

北谷長老酒造工場長・知念さんオススメ銘柄

地元で人気の銘柄と、泡盛ツウの方へオススメの北谷長老酒造の銘柄を知念さんに教えていただきました。 

 
■ 地元・北谷町で人気の銘柄 ー 「北谷長老13年25度」 
「長老25度」が一番人気の銘柄です。泡盛でアルコール度数25度は珍しく、女性からも飲みやすいと好評です。 

好きな方はチブグヮーやコップでストレートで召し上がっています。 

泡盛 北谷長老

■ 泡盛ツウの方へオススメの銘柄 ー 「北谷長老13年43度」 
ロックにして、氷が溶けていくに従って変化する味を楽しむ人が多いです。 

泡盛 北谷長老

工場からすぐ出たところで、知念さんにオススメ銘柄を伺いながらの撮影中、「実は個人的なイチオシがあるのですが、それも紹介してよいですか?」と知念さんが思いがけない言葉を発しました。 
「もちろんです! ぜひお願いします!」とお願いすると、工場内へ姿を消した知念さん。 
わくわくしながら知念さんを待つこと約1分。 

 
「僕的には『一本松(いっぽんまつ)』を推したいです!」 
知念さんが意気揚々と手に持っていらしたのは、黒いラベルに一本の松が描かれたボトル「一本松」。 

泡盛 一本松

 「『一本松』は、『北谷長老(古酒)』のおおもとになる酒なんです。『一本松』がなければ古酒は存在しないんですよ」。 

えー!? そうだったの?! 知念さんのご説明に衝撃です。 
 
「一本松」は、1年寝かせてから出荷される30度の一般酒。 

その「一本松」を数年寝かせて古酒になったのが「北谷長老(古酒)」。 
だなんて、初めて知りました。 

泡盛 北谷長老酒造

「『一本松』は、僕も従業員もみんな好んで飲んでいます。常温ろ過ですので、ガッツリ泡盛特有のクセを感じたい方にオススメです。 
同じく1年寝かせてから出荷する一般酒の『北谷長老30度』は冷却ろ過です。冷却によって米油を取り除くので雑味がなく、飲みやすくなっています。炭酸で割るのがオススメです。 

最近は、『北谷長老(古酒)』のおおもとの泡盛が『一本松』だと知られるようになってきて、『一本松』を好む方も増えてきました。 

『一本松』があるからこそ『長老』ができる。こういう背景を知って飲むとまた違ってくると思います。 
『一本松』と『長老』、ぜひ飲み比べてみてください!」。 

「一本松」をご紹介される知念さんの瞳は、こころなしかとても輝いて見えました。 

泡盛を造る人・飲む人・伝える人、みんなで沖縄が誇る泡盛を守りたい 

泡盛 北谷長老酒造

最後に、北谷長老酒造工場の工場長・知念秀人さんの想いをお届けいたします。

若者の泡盛離れが目立つようになってきていることを危惧しています。若いときは、酔うために乱暴に飲んでしまう傾向がありますので、「泡盛はクセが強い」というイメージをもたれているのでしょう。 
それと、「古酒は割るともったいない」「古酒はストレートで飲むもの」というイメージが敷居を高くしているように感じます。 
それらの概念を払拭したいですね。ソーダで割ったり、レモンを搾ったり、自分の好きなように自由に泡盛や古酒を飲んで欲しいと思います。 

沖縄の人だからこそ、泡盛を大事にして欲しいのです。 

とにかく、「飲んでこそ!」です。 

いろいろな銘柄を飲んでみて、自分の好きな銘柄を見つけて欲しいですね。 
それに、泡盛はいろんな飲み方が楽しめますから、自分に合った自分の飲み方を見つけて欲しいです。 

以前、僕が出演していたラジオ番組に、「泡盛倉庫」(泡盛バー)の比嘉さんにゲスト出演していただいたことがあります。比嘉さんは非常に泡盛に精通している上、とても話し上手。番組のなかで、「そうそう、それが聞きたかったんだ!」と思うような、泡盛に関してみんなが知りたいと思っていることをうまく話してくれました。 
泡盛の魅力、面白さをすごく上手に伝えることができる人、こういう人も大事なんだな、と思いましたね。 

泡盛は、沖縄が誇る歴史であり、文化です。 

泡盛の生産者も、飲む人も、伝える人も、みんなで一緒に泡盛を守って行けたら、と願っています。

泡盛 北谷長老酒造

<しーぶん> 
「泡盛は、沖縄が誇る歴史・文化。泡盛の生産者も、飲む人も、伝える人も、みんなで一緒に泡盛を守って行けたら」と語られた工場長・知念秀人さんのアツい想いは、サキヌマーライターとして胸に響くものがありました。 
泡盛メディア『珠玉の島酒』がその一翼を担えれば、そして微力ながら私も何かお手伝いできれば。そう思いました。 まずは泡盛・古酒を飲む人になって、今宵は「一本松」で、カリー! 

泡盛 北谷長老

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北谷長老酒造工場株式会社

https://chatan-chourou.co.jp/ 

設立:創業1848年(嘉永元年)
〒904-0105 沖縄県中頭郡北谷町字吉原63番地 
TEL:098-936-1239 
<酒造所見学> 現在見学はご遠慮いただいております。 

Photographs & Text by 安積美加(Mika Asaka)