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県内唯一!泡盛に欠かせない「黒麹菌」を製造する石川種麹店

お酒と文化

泡盛を造る上で欠かせない材料「黒麹菌(くろこうじきん)」。 

沖縄の気候風土に合った黒麹菌

泡盛 石川種麹

日本酒を造る際には黄麹菌(きこうじきん)、焼酎には白麹菌(しろこうじきん)が使われますが、泡盛造りの際に使われるのは黒麹菌です。お酒の製造過程でクエン酸を大量に生成するため、その他の麹菌と比べると雑菌が増えづらく、もろみが腐敗するのを防いでくれるのだとか。つまり黒麹菌は、年間の平均気温は22度以上、平均湿度が70%以上になる沖縄の気候風土に合った菌なのです。

泡盛 石川種麹

そんな黒麹菌を沖縄で唯一製造し、県内の泡盛メーカー47社の内38社に出荷をしているのは、北谷町にある「石川種麹店」です。 

石川種麹店の創業は1956年。何百年も前から黒麹菌づくりを続けていた沖縄ですが、沖縄戦(1945年4/1〜6/22日)で沖縄本島にあった70軒の泡盛酒造所が壊滅。特に酒造所が集中していた首里は戦火で焼け野原になってしまい、麹菌もほとんどがなくなってしまったそうです。 

絶滅寸前の黒麹菌を復活 

泡盛 石川種麹

石川種麹店の創業者 石川秀雄さんと親類関係にある「石川酒造場(うるま市)」の初代 石川政次郎さん(当時は宮崎県に疎開し、現地で焼酎造りに携わっていました)が「沖縄で黒麹菌をつくってみないか?」と秀雄さんに提案。その頃は電話や今のような郵便もなかったそうで、石川さんは沖縄中の酒造所に「黒麹菌を分けてほしい」という内容の電報を打ちました。そして、戦争の影響が比較的少なかった与那国島の酒造所の土壌から黒麹菌を採取。持ち帰り、培養することに成功しました。こうして沖縄の黒麹菌が復活したのです。 

泡盛 石川種麹

現在の社長は、創業者 石川秀雄さんの娘の渡嘉敷みどりさん。秀雄さんが病気で倒れてしまい、仕事ができなくなってしまった時期に「沖縄で唯一の黒麹菌をつくる会社を絶やすわけにはいかない」と、会社を継ぐことを決心しました。「泡盛造りに欠かせない黒麹菌がつくれなくなってしまったら、泡盛メーカーにも迷惑をかけてしまう」と責任感みたいなものも感じていたそうです。 

泡盛 石川種麹

創業から今日まで黒麹づくり一筋の石川種麹店では、重厚な香りが特徴の「アワモリ菌」と、華やかさが感じられる「サイトイ菌」、最も古い黒麹菌のひとつ「イヌイ菌」の3種類の黒麹菌を製造。酒造所によって使い分けているそうで、また自社でも黒麹菌を活用した商品を研究・開発しています。

黒麹菌ができるまで 

黒麹菌は「玄米を洗米・浸漬」→「水分含有量34%まで水切り」→「蒸す」→「温度調整」→「熟成」→「ほぐして乾燥」の製造工程を経て完成します。洗米から出来上がるまでは約7日間かかるそうですが、温度調整に気を配り、愛情をこめて製造することを心がけているそうです。 

美容と健康のために取り入れたい黒麹玄米ドリンク

泡盛 石川種麹

自社商品の「黒麹玄米ドリンク」は沖縄の風土が育んだ健康飲料。100%国産の玄米に黒麹菌を混ぜ、発酵させた無添加・無着色のドリンクです。

泡盛 石川種麹

原材料は食物繊維やビタミンE、ビタミンB1、B2、ナイアシンなどの栄養成分が含まれている玄米とクエン酸たっぷりの黒麹菌のみ。発酵食品特有のすっきりとした酸味と、麹の柔らかな甘みが感じられる黒麹玄米ドリンク。実際に飲んだ方たちからは「疲れていた身体がだいぶ楽になりました」「お肌の調子が良くなりました」などのコメントをいただいているそうです。 

そんな黒麹玄米ドリンクはイオンモールライカムの薬局やコスタビスタ沖縄ホテル&スパ、うなぎパイで知られている静岡の春華堂などで販売中。 

「家族経営なので大量生産はできませんが、今後は黒麹菌を使った新たな商品を開発していきたいです」と渡嘉敷みどりと夫の正司、及び長男の建孝(後継者)は話します。 

一度途絶えかけた沖縄の宝、黒麹菌を現在に繋いで泡盛の歴史を紡いできた石川種麹店は、10年、50年、100年先の沖縄のためにも、なくてはならない存在なのです。 

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石川種麹店 

https://kurokouji.jp

Photo &text:舘幸子